本記事ではPythonで極限を計算する方法を解説します。
Pythonで極限を行うためには、SymPyという代数計算ライブラリを使用します。
極限とは
まずは極限について簡単に解説します。
ある関数に対して、その変数をある値に限りなく近づける操作、および極限操作によって定まる関数の値である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E6%95%B0%E3%81%AE%E6%A5%B5%E9%99%90
例えば、下記のようなものが極限にあたります。
\[ \lim_{x \to 1} x+1 = 2 \]
SymPyのインストール
まずは事前準備としてSymPyのインストールを下記のコマンドで行います。
pip install sympy
これで準備完了です。
Pythonで極限を計算する方法
最初にimport sympy
でライブラリをインポートし、x = sympy.Symbol('x')
で変数を定義したうえで、sympy.limit
で極限を計算することができます。
引数は下記のとおりです。
- 第一引数: 式
- 第二引数: 変数
- 第三引数: 極限
極限の公式について計算を行い、想定通りに動作するか確かめてみましょう。
なお、こちらの公式については下記サイトを参考にしております。
極限の基本的な公式、考え方一覧 - 具体例で学ぶ数学
極限の基本的な公式、考え方を整理しました。 極限の公式一覧 1:$\displaystyle\lim_{x\t
\[ \lim_{x \to 0} \frac{sin x}{x} = 1 \]
# ライブラリのインポート
import sympy
# 変数の定義
x = sympy.var('x')
# 式の定義
y = sympy.sin(x)/x
# 極限の計算
sympy.limit(y, x, 0)

\[ \lim_{x \to 0} \frac{tan x}{x} = 1 \]
# ライブラリのインポート
import sympy
# 変数の定義
x = sympy.var('x')
# 式の定義
y = sympy.tan(x)/x
# 極限の計算
sympy.limit(y, x, 0)

\[ \lim_{x \to 0} \frac{1-cos x}{x^2} = \frac{1}{2} \]
# ライブラリのインポート
import sympy
# 変数の定義
x = sympy.var('x')
# 式の定義
y = (1-sympy.cos(x))/(x**2)
# 極限の計算
sympy.limit(y, x, 0)

\[ \lim_{x \to \infty} (1+\frac{1}{x})^x = e \]
# ライブラリのインポート
import sympy
# 変数の定義
x = sympy.var('x')
# 式の定義
y = (1+1/x)**x
# 極限の計算
sympy.limit(y, x, sympy.oo)

\[ \lim_{x \to 0} (1+x)^\frac{1}{x} = e \]
# ライブラリのインポート
import sympy
# 変数の定義
x = sympy.var('x')
# 式の定義
y = (1+x)**(1/x)
# 極限の計算
sympy.limit(y, x, 0)

\[ \lim_{x \to 0} \frac{e^x-1}{x} = 1 \]
# ライブラリのインポート
import sympy
# 変数の定義
x = sympy.var('x')
# 式の定義
y = (sympy.E**x-1)/x
# 極限の計算
sympy.limit(y, x, 0)

\[ \lim_{x \to 0} \frac{log(1+x)}{x} = 1 \]
# ライブラリのインポート
import sympy
# 変数の定義
x = sympy.var('x')
# 式の定義
y = (sympy.log(1+x))/x
# 極限の計算
sympy.limit(y, x, 0)

